旧岩崎邸庭園の金唐紙展へ行ってきました
こんにちは。
先日「旧岩崎邸で楽しむ金唐紙の世界展」へ行ってきました。
湯島駅から徒歩3分ほどの場所にある旧岩崎邸庭園。
三菱財閥3代目当主の岩崎久彌の邸宅として
イギリスの建築家ジョサイア・コンドルが設計したジャコビアン様式の洋館。
重要文化財に指定されている歴史的な建造物です。
こちらが正面入り口。風格がすごいです。
金唐紙の世界展
館内に入ると早速金唐紙の屏風が展示されていました。
照明に照らされると陰影がくっきりと浮かび上がり美しいです。
ここで少し金唐紙についてご説明します。
金唐紙(金唐革紙)とは?
17世紀半ばにヨーロッパで動物の革から作られていた金唐革を和紙で再現したもの。
金唐革紙は、明治の頃には欧米で高い評価を得て日本の芸術産業として輸出も盛んに行われました。
しかし、昭和初期には新技術の登場や需要の減少によって衰退、失われた工芸となってしまいました。
昭和の終わりごろ、一度途絶えてしまった金唐革紙の技術を復元しようという動きが起き、
文化財関係の美術印刷を手がけていた上田尚氏(金唐紙研究所 代表)が復元に成功。
一度失われた「金唐革紙」から、あらためて「蘇った」という意味を込めて「金唐紙」と呼んでいます。
引用元:旧岩崎邸庭園HP
歴史的な建造物内という贅沢な空間での展示。
金唐紙は立派な洋館にとても似合います。
思った以上に沢山の作品が展示されていました。
また、この時期は年末年始で各所にお花も飾られていて一層きらびやかでした。
実はテシードは旧岩崎邸とご縁がありまして、
20年ほど前に各お部屋の壁紙の復元工事に携わらせていただきました。
弊社代表に聞いたところ、金唐紙以外の壁紙は全て復元に関わったそうです。
こちらのお部屋の壁紙も復元されたもの。
デザイン部分はフロック加工で浮き上がっています。
【1F客室】
美しい金唐紙が展示されていました。
鮮やかなレッドにゴールドが映えてかっこいいです。
下記はテシードで保管している、貴重な端材です。
1F客室の壁紙(フロック加工)
【書斎】
淡いピンクの可愛らしい空間。こちらにも復元した壁紙が張られています。
曲線の美しい優雅な植物柄。
書斎の壁紙(フロック加工)
【集会室】
重厚な木製のドアが目を引くお部屋。こちらにもフロック加工の壁紙が使用されています。
落ち着いたグリーンが素敵です。
額装された金唐紙が飾ってありました。
集会室の壁紙(フロック加工)
【2F客室】
こちらは金唐紙が全面に張られたお部屋!とっても豪華です。ブルーグリーンとの組み合わせが可愛らしいですよね。
金唐紙の見本帳や道具も展示されていました。
貴重な版木ロールも。
作業工程の展示。
金唐紙の中にはこんなカラフルなものも。
あえて白背景にしているのが上品です。
花唐草
ジョサイア・コンドルによって設計された鹿鳴館で使われていた図柄。
洋はもちろん和にもマッチする金唐紙。
壁紙としてだけではなく様々な使い方をされているのが興味深かったです。
中には金唐紙の帯なんてものも。
写真の右側にある細長いものが金唐紙の帯です。
【和館】
金唐紙は和の空間にも似合います。飾り屏風などに加工されていました。
テシードと金唐紙の不思議な縁
テシードは金唐紙とも不思議な縁が。
金唐紙を復元している上田尚氏の金唐紙研究所は、テシードと同じ目白にありご近所さん。
また、現在ショールームの入っているビルには、元々金唐紙が張られていました。
解体工事の際に発見し、剥がした金唐紙の一部をお譲りいただきました。
今では同じビルの階段の壁に額装して飾っています。
田園風景というデザイン名で今回の金唐紙展でも色違いのものが数種類飾られていました。
東京芸術劇場の貴賓室の天井に使用されているものと同じデザインです。
豊穣や子孫繁栄を意味するブドウやザクロが図案化されています。
このようにテシードは旧岩崎邸&金唐紙とは不思議なご縁があります。
今回の展覧会は、旧岩崎邸も金唐紙も十分に堪能できる内容でした。
展覧会は既に会期を終えていますが、
2Fの客室は金唐紙が全面に張られたお部屋ですのでいつでも見学可能です。
(※写真撮影は平日のみとなっているのでご注意ください)
上野恩賜公園にも近く、休日の散策にぴったりのスポットです。
学問の神様で有名な湯島天神もすぐ近くにあります。
歴史散歩を楽しんでみてはいかがでしょう。
minori
旧岩崎庭園基本情報
東京都台東区池之端一丁目
9:00~17:00
休園日:年末・年始
旧岩崎邸庭園ホームページ
関連ブログ
金唐紙についてはこちらのブログ記事にも書いています。
併せてご覧ください。